2025 北海道ツアー記 ─ 走り抜けた12日間、13の街

こんにちは、10YCです。
今日は8月19日まで開催してきた 北海道ツアー2025 の記録を残しておきたいと思います。

今年は本当に多くのご縁をいただき、12日間で13回 という強行日程!
(ちなみに去年は9日間で7開催でした)

ツアーが終わってからの1週間は、充実感と同時に疲れもどっと出ましたが、それ以上に「本当に楽しかった!」という気持ちでいっぱいです。

そして同時に、この数年取り組んできたことが少しずつ「形になってきたな」と感じています。
待つのではなく、自分たちから会いに行くこと。
街ごとに出会いを積み重ね、少しずつ広がっていく輪。
今回の北海道ツアーは、その「見えてきた形」をあらためて実感できる旅でもありました。

旅の思い出を残しておくべく、この旅日記を書きます。
ちょっと長いですが、ぜひお付き合いください。


第1章 なぜ私たちは北海道へ行くのか

私たちが北海道でポップアップを行うようになったのは2018年。
知り合いの友人から「北海道でやってみたら?」と声をかけてもらったのがきっかけでした。

当時は北海道の広さを知らず、札幌と北見を連日開催するという、今思えば無謀なスケジュール...。深夜に車で移動しながら開催する、とてもハードなツアーでした(その変わり、見たことのない満点の星空に出会えた)。

でもその経験とご縁がきっかけで、翌年から「北海道ツアー」としての開催が始まりました。
コロナで一時期中断もありましたが、再開してからは毎年、多くのユーザーさんや新しい仲間と出会いながら続けています。

普段から10YCの発信を見てくださっている方の中には、
「なぜ北海道だけこんなに熱量をかけるのか?」
「なぜ消耗するようなスケジュールで行くのか?」
と思う方もいるかもしれません。

でも行けば行くほど、新しい人たちに出会い、その人たちが10YCの洋服を喜んで着てくれる。
その光景が次の街へ、次の出会いへとつながっていく。
少しずつ広がっていくその姿を見るのが、私たちにとって何よりも嬉しい経験です。

第2章 2025年ツアーの特徴は?

今年は例年以上に「新しい場所」「新しい人」との出会いがありました。
13回の開催のうち、5会場が初開催

そして今年は 12日間で13回 という、日数よりも開催数が多いドMすぎるスケジュール。
北海道は広く、移動はだいたい2〜2時間半。

「設営 → 開催 → 片付け → ご飯 → 睡眠 → 移動 → またポップアップ」
これを毎日繰り返すのはとてもハードですが、「行きたい場所が多い」「1日も無駄にしたくない」という気持ちが強く、結果としてこの日程になりました。

現地の人にも「頭おかしいんじゃない?」と言われたスケジュールでしたが、それでもやっぱりやってよかったです。

第3章 走り抜けた12日間

札幌編(8/8-9)── 久々の再会と、3ブランド合同イベント

札幌はめちゃくちゃ久しぶり。北海道には毎年来ていたものの、札幌でちょうど良い場所が見つからず、なかなか開催できていませんでした。
今回、美瑛町の「而今」さんとのご縁で、さらに「ウルトラ物産」さんも加わり、3ブランド合同で JOHNSON STORE Odori Studio にて開催。

久しぶりの札幌では、遠方からユーザーさんが来てくださったり、久々に接客を楽しんだり、思い出話に花が咲いたりと、とても楽しい時間になりました。

ちなみに而今さんは8/24に美瑛町で新しいストアをオープンされています。ぜひ立ち寄ってみてください(ちょこっと10YCも置いています)。

十勝編(8/10)── フレンチトーストと芽室の街の変化

今年の十勝は、芽室に新しくオープンする Creative French Toast in Tokachi さんでの開催でした。
ここだけの話…実は今回のポップアップのためだけに、この日にプレオープンをしてくださったんです。本当にありがたくて、感謝しかありません。

まだ正式オープン前だったにもかかわらず、街の人たちが数多く訪れ、とても心地よい雰囲気のスペースに。
そして肝心のフレンチトーストはというと……めちゃくちゃ美味しかった!
これからたくさんの人を幸せにするお店になるだろうな、と勝手ながら確信しました。

同じ街に毎年訪れると、その変化がよくわかります。
芽室という街は、来るたびに新しいお店が生まれ、街全体が少しずつ賑やかになっているように感じます。
その成長を今年も肌で感じられたことが、とても嬉しかったですし、また来年も感じたいと思いました。

北見編(8/11)── 今年も帰ってこれた、ツアーの原点

北海道ツアーを語る上で、北見は欠かせない街です。
ここに来なければ北海道ツアーは始まらない、そんな特別な存在。

今回の会場は毎年お世話になっている いわしくらぶ 北見本店
実は10YCが北海道で初めてポップアップを行ったのも、この場所でした。

北見には長年10YCを愛用してくださっているユーザーさんが多くいらっしゃいます。
毎年訪れるたびに、洋服の話だけでなく、日々の暮らしや10YCの活動のこと、北海道に関することなど、少しブランドとお客さんという関係を超えた会話が生まれるのがとても楽しい時間です。

もちろん「また来年も行きたいね」と自然に思える、そんな街でもあります。

そして北見といえば、名物の焼肉!
しっかり堪能させてもらったのも良い思い出になりました。
ただ、回転寿司の「トリトン」に行けなかったのだけが心残り…。次は東京でリベンジしようかな?それはリベンジになるのかな?

浦幌編(8/12)── 浦幌の暮らしを感じたトリノメ商店

浦幌は今回が初開催。
以前から「浦幌は面白いよ」といろんな方から聞いていて、いつかは行ってみたいと思っていた街でした。

会場は トリノメ商店 さん。
代表の小松さんは、ゲストハウスや温泉の運営もされていて、街をさまざまな角度から活気づけようとしているのが伝わってきました。
実際にお会いして、その想いを肌で感じられたのがとても嬉しかったです。

店内には本や古着、雑貨などが並んでいて、そのラインナップは東京でもなかなか見られないようなユニークなものばかり。
そうしたアイテムが浦幌の人たちの暮らしに、新しい刺激や楽しみを届けているんだろうなと、短い滞在ながらに感じました。

初めての浦幌、ぜひまた来年も訪れたいと思える街になりました。

中標津編(8/13)── カレー三昧をしに

中標津は、正直「亀田さんのカレーを食べに行った」と言っても過言ではありません。

昨年の斜里でのイベントで初めて亀田さんのカレーを食べて以来、すっかり虜に。
その後、10月には標津の店舗でポップアップをさせていただきましたが、あの時もカレーを目当てに足を運んだほどです。

今回は、中標津に新しくオープンした店舗 OCOBORE へ。
やっぱり、なんといってもパキスタンカレーが最高に美味しい。

イベントは昼の部と夜の部の2部制で開催したのですが、どちらもカレーを堪能させていただきました。
「1,000回しか営業しない」というコンセプトを掲げる店舗で、あと何回食べに行けるのかはわかりませんが…
来年も必ず、カレーを食べに中標津に行きます!

標茶編(8/14)── 林に囲まれた最高の空間

標茶は今回が初開催。
昨年のイベントでご一緒した オジコーヒー さんを訪れることができました。

知り合いの方々からも
「まさかあんな場所に、あんな素敵なコーヒー屋さんがあるなんて」
「幻想的だから絶対に行った方がいい」
と聞いていて、今年どうしても行きたいと思っていた場所。
(実はこの日の夜に美幌でのナイター開催も決まっていたのですが、無理をしてでも訪れました。)

オジコーヒーさんはコーヒーだけでなく、パンやお菓子も販売されています。
さらに奥さまがアーティストとして活動されていて、その作品やセレクトしたアートグッズも並ぶ空間は、長時間いてもまったく飽きない魅力にあふれていました。

周囲は幻想的な林に囲まれていて、リスが見られることもあるほど自然と調和した環境。
あまりに心地よく、リラックスしすぎてイベントに集中できないくらいでした。

次に訪れるときは、ポップアップではなく、一人のお客さんとしてのんびり過ごしたい──そう思わせてくれる素敵な場所でした。

美幌編(8/14)── 若者との再会と成長の記録

美幌での開催は、昨年に続き2回目となりました。
10YCユーザーの野崎くんが美幌で先生をされていたご縁もあり、この土地で再びポップアップを開くことができました。

短い時間でしたが、今年もたくさんの方々にお会いできました。
特に印象的だったのは、昨年、進路に悩む中学3年生の男の子がアパレルデザイナーとしてのキャリアについて相談してくれたのですが──今年もまた会いに来てくれたこと。

こうして毎年のイベントを通じて、一人の成長を「定点観測」のように見られること。そして微力ながらもその過程にアドバイスできることは、とても貴重で嬉しい経験です。

来年また彼に会えたとき、どんな成長をして、どんな道を歩んでいるのか。
それを楽しみにできるのも、このツアーの醍醐味のひとつだと感じました。

(写真が1枚もない!)

湧別編(8/15)── 若者の熱量が集まる場所

湧別は今回が初開催。
そして、とんでもなく“熱い”イベントになりました。

会場となった NEW HUMBER さんは、もともと湧別で熱い場所だと聞いていたのですが、その想像をはるかに超える熱量でした。
西村組の西村くんには死ぬほどお世話になり、洋服のことだけでなく、いろんな熱い話ができたのも大きな収穫でした。

そして何より印象的だったのは、予想をはるかに超える若者たちの来場。
「こんなにも若者が集まるのか!」と驚きながら、一人ひとりの試着をみんなで見て、
「これが似合う」「これは似合わない」「こっちの方がかっこいい」
と意見を交わしながら服を選んでいく。

そんな体験はこれまでになく、とても新鮮で楽しい時間でした。

余談ですが、道の駅にある「チューリップの湯」の温泉とサウナが最高でした。
湧別は街もお風呂も熱かった!

紋別編(8/16-17)── CANSHIPで広がる新しいつながり

紋別は、北海道ツアーの最終盛り上がり地点。
もうレギュラー開催と言ってもいい CANSHIP イベントでの開催でした。

ここでは毎年、さまざまな出展者さんと一緒にイベントを楽しむことができます。
そして何より、自分自身も一人の消費者として買い物を楽しめるのが、このイベントの本当に好きなところです。

普段あまりこうしたイベントに出ることはありませんが、だからこそ新しい出会いがあり、新しい関係性が生まれる。
そしてそこから、また新しい10YCが作られていく──。
単なる「1つのイベント」というよりも、もっと深いつながりを感じられるのがCANSHIPです。

そしてこの場所に来ると、
「ああ、いよいよ北海道ツアーも終わりに近づいているんだな」
と実感します。

今年も最高に楽しかった!来年もよろしくね、船木くん。
いつも一緒に北海道を楽しくしてくれるBIKAS COFFEEのみなさんも本当にありがとうございました。

Photo by 内貴 有文 (BIKAS COFFEE)

下川町編(8/18)── 谷山さんとジビエで締めるフィナーレ

北海道ツアーの最終地点は下川町。
最後の会場に選んだのは、「ジビエを食べたかったから」ではありません。

店主の谷山さんは、いつも10YCの洋服を着てくださり、ブランドに対する熱い想いを語ってくれる存在。
そんな谷山さんのお店でツアーを締めくくりたい──その気持ちがあり、ジビエビストロシカク さんでラストのポップアップをお願いしました。

もちろんジビエは驚くほど美味しくて、最後にふさわしいごちそうでした。

平日の月曜日ということもあり、最初は「人が少ないかもしれない」と思っていましたが、これまで各地でお世話になった方々が足を運んでくださり、想像以上に賑やかに。
大盛り上がりの中でフィナーレを迎えることができました。

北海道ツアー2025を締めくくるにふさわしい夜となり、心から感謝の気持ちでいっぱいです。

終わりに なぜ私たちは北海道ツアーを続けるのか

こうして、2025年の北海道ツアーを完遂しました。

毎日人に会い、ブランドの思いを直接伝え続けることで、改めて 10YCは一人ひとりに支えられている と強く感じました。
ある種「苦行」のようにも思えるこのツアーを、なぜ続けるのか。
その答えは、「忘れてはいけないことを忘れないため」にあるのかもしれません。

「また来てね」「次はうちの街でも」と言ってくださる声が、何よりの力になります。
だからこそ、正直に、真摯に服を作り続けていきたい。
それが来年の北海道ツアーにつながっていくと信じています。

来年はもっと多くの場所に行きたい。
さらに長いツアーになるかもしれませんが、まずは日々を大切に、一つずつ積み重ねていきます。

もう一つの決意表明

先月、長く拠点にしてきた墨田の事務所を移転し、週末だけ営業していた常設店舗もなくなりました。
これは「待つ」のではなく、自分たちからお客さんに会いに行く という大きな決意です。

この1年は、これまでお世話になった場所に改めて出向き、新しい土地にも積極的に足を運びたい。
そこで10YCの魅力やものづくりの背景を、直接届けていきたいと考えています。

北海道ツアーを終えて、その思いはさらに強くなりました。

次は、四国ツアー。九州ツアー。東北ツアー。北陸ツアー。中国ツアー。
──全国を回って、自分たちから届けに行く。
そんな活動を、これからもっと増やしていきたいと思います。

番外編:この北海道ツアーで立ち寄ってよかった場所たち

せっかくなので、今回の旅で立ち寄って「ここは最高だった!」と思えた場所を少しだけご紹介します。 イベントの合間に寄ったので数は多くありませんが、どこも心に残るスポットばかりでした。

🍴 ごはん・お店

・Creative French Toast in Tokachi(芽室): フレンチトーストが衝撃的に美味しかった。染みてる感じが最高でした。
・OCOBORE(中標津):パキスタンカレーが最高。結局、昼も夜も2回食べてしまった…。
・ジビエビストロシカク(下川町):北海道ツアーのラストにふさわしいジビエ。締めのごちそう。
・四条ホルモン(北見):焼肉天国・北見の定番。サガリはやっぱり外せない。
・タンdeボラーチョ(北見):名前はタンだけど、パスタがめちゃくちゃ美味しい。
・NEW HUMBER(湧別):イベント会場でもあるけど、普通にザンギが美味い!
・ドライブイン登代里(遠軽):まかない丼がうまい。並にしておくのが吉。
・らーめん五丈原(札幌):ラーメンはもちろん、チャーシューおにぎりが最強。
・中華料理萬彩(芽室):皿の量も値段もケタ違い。一人前をみんなでシェアして十分。
・セイコーマートのホットシェフ:おにぎりも親子丼もカツ丼も…全部うまい。やっぱり頼れる。

☕ カフェ

・オジコーヒー(標茶): 林に囲まれた幻想的な空間。コーヒーもパンも格別。
・いわしくらぶ 北見本店(北見):シーシャカフェでひと休み。オリジナルミックスが癖になる。
・Kinubari Coffee Roasters(上川町):お土産に買ったコールドブリューが衝撃的に美味しかった。

♨️ 温泉・サウナ

・チューリップの湯(湧別):道の駅にあるとは思えないクオリティ。サウナの熱気もすごい。
・うらほろ留真温泉(浦幌):
秘境感すごすぎ。道を間違えて死ぬかと思った。
・ホテルマルエー温泉本館(中標津):
朝早くから営業。お湯はトロトロ系で最高。
・やよい乃湯(帯広):
水風呂も温泉という贅沢仕様。最高すぎる。
・ふく井ホテル(帯広):純度100%のモール温泉。体の芯から温まる感覚。

🏠 宿泊

ふくらい家(滝上):アットホームで居心地よし。毎日イベントがあって面白い場所
ushiyado(中標津):無料で飲める牛乳が感動的に美味しかった。泊まったら必ず飲むべし。

 

また北海道で、たくさんの方々にお会いできるのを楽しみにしています!