SH.K.PRODUCT
投稿者 下田将太

SH.K.PRODUCTとは
秋田県大館市に10YCのシャツを縫製しているSH.K.PRODUCTはあります。
SH.K.PRODUCTは現社長の加藤義明さんが、2016年にこれまであった縫製工場を引き継ぎ、創業したシャツをメインとした縫製工場です。10YC以外にも国内ブランドのシャツを縫製されていて、多くのブランドから信頼されている会社です。
異端の経歴を持つ加藤さんに惹かれて始まった
SH.K.PRODUCTさんとの出会いは、2022年に10YCがこれまでお願いしていたシャツ縫製工場さんが、コロナ渦の影響で閉業することになり、新たなシャツの縫製工場を探しているときのこと。
10YCのお知り合いに、「秋田の大館に面白い社長がやっている縫製工場があるから紹介するよ」と言ってもらえてお話をしたのが、SH.K.PRODUCT 加藤さんとの出会いの始まり。
お話をして一番最初に驚いたのは、加藤さんは家業ではないということ。
(縫製工場に限らず、物作りをされる工場さんは、代々家業として受け継がれていかれることが多いんです)
SH.K.PRODUCTを始める前は、東京でアクセサリーの企画生産をする会社で働いていた加藤さん。あることをきっかけに「大館の縫製工場が引き継いでくれる人材を探してるんだけどどう?」と声がかかり、以前から地元が秋田でご両親のお近くで過ごしたいという気持ちもあったため、引き継ぐことを決断。
2016年にSH.K.PRODUCTを創業し、現在に至ります。現場で働く職人さんは、引き続き働いてもらえることになったものの、縫製工場の社長は人生初めての経験。
そんな中でも、「ものづくりをできる現場を残したい」と日々奮闘されている加藤さんの姿を見て、ぜひ10YCの商品もお願いしたいと思い、シャツの縫製をお願いさせていただくことになりました。
工場からすると「量産」だけど、お客さんからすると「1枚」を大切に
SH.K.PRODUCTにお伺いをし、加藤さん以外の職人さんにお話を聞くと、みなさん口を揃えておっしゃるのは「工場からすると縫製する洋服は、量産(大量生産の略)なんだけど、お客さんに届くときは、その人だけの1枚の洋服になる。だからがっかりさせないように、1枚1枚丁寧に仕事をするように心がけています」という言葉でした。
縫製って生地やデザイン、シルエットに比べると、なかなか良いと言われることがあんまり無くて、だいたい悪いことしか言われない減点方式の分野だと思うんです。だからこそ、「丁寧に縫製する」「不良品をお客さんの元へ届けない」ことが大切にする。
こういった心持ちの職人さんたちが縫製しているからこそ、今もなお、多くのブランドと長くお付き合いできる理由なのかもしれません。
心の豊かさが、経済的な豊かさにもつながる
SH.K.PRODUCTでは、国内ブランドの縫製以外にも、自社ブランド「aiile」を運営しています。「実際に始めてみてどうですか?」と聞いたところ、「これまでは直にお客さんの声を聞く機会は少なかったけど、自社ブランドを始めて、店頭でお客さんと言葉を交わしたり、Instagramで長文のメッセージをもらったり、直接感じるものが多くなり、それが工場のスタッフにも良い影響を与えています」と答えてくれました。
さらに続けて「職人さんは自分たちが縫製しているものがどれだけお客さん気に入ってくれているか、喜んでもらえているかがわかりにくい。それが分かるようになれば、もっと気持ちを乗せて仕事ができる。気持ちが乗れば、それが日産や品質の向上にも繋がり、結果経済的にも豊かになるという好循環となるんじゃないかと思います。」とも。
私たちは豊かさというと、工賃などの経済的な豊かさを思い描いてしまいがちですが、それだけではなくて、職人さんが作ったものがどうだったか?をお客さん聞いて、しっかり伝えていくことがとても大切なことだと感じました。
10YCは着る人はもちろんのこと、作る人も豊かになる、そんなものづくりをされているSH.K.PRODUCTのみなさんとこれからも着る人に喜ばれる洋服を作っていきます。
工場プロフィール
株式会社SH.K.PRODUCT
2016年 創業
〒017-0838 秋田県大館市山館字田尻182番地
https://shkproduct.com/
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