ニワカヤマ

和歌山県日高川町ー。そこに、灰汁発酵建てという伝統的な方法で藍染を行っているニワカヤマはあります。

ニワカヤマは澤口隼人さんが立ち上げられた天然染料にこだわった藍染めを行う染め屋さんです。澤口さんは20年近く藍染に携わっておられる職人さんです。我々10YCはたまたま知り合いの工場さんのご紹介で澤口さんに出会い、藍染の美しい色に魅了され、それ以来、10YC Tee 藍染めを行っていただいています。灰汁発酵建て藍染は化学薬品を一切使わず、自然界からとれる原料のみを用いるため、布やそれを身につける私たちだけでなく、環境にとっても非常に優しい染色方法です。

藍染の工程

灰汁発酵立て藍染は一般的なジーンズなどに使われている化学染料を用いたインディゴ染めとは違い、自然界からとれる原料のみを用いて染める方法です。タテ科の植物である藍の葉には藍色が含まれています。この藍の葉を、乾燥・醗酵させたものを蒅(すくも)と言います。この蒅を大きな瓶の中に木灰をもちいた灰汁(あく)、石灰、日本酒を混ぜ合わせ、一週間程度、醗酵と撹拌(かくはん)を促します。その醗酵が終わって初めて染料として使用することができます。

その醗酵した染料の中に、Tシャツを「浸して染める、出して酸化させる」という工程を15回ほど繰り返した後、10YC の藍染Teeは完成します。

手で染める

ニワカヤマの藍染は天然の原料しか使っていないため、素手で染めることができます。手のひらで素材の感触を確かめながら、お客様の顔を思い浮かべながら想いを込めて染めていく。そこに澤口さんの物へのこだわりが垣間見えます。

蒅の色に見せられて

藍染というと現在ではインディゴ染料を用いて1~2回で染めた物が大半ですが、灰汁醗酵建て藍染で染められた色は、何度も繰り返し染め重ねていることで、深みある色に仕上がります。その深みのある色は青でもなく紺でもない美しい藍色に染まります。そのなんとも言えない、藍でしか出せない色が私達を魅了してくれるのです。 

藍の色で人と人を繋ぎ合わせたい

澤口さんが藍染めを職業にしようと思った理由は、青が好きだったからだそうです。そんな青が好きな澤口さんは大学生の頃、山手線の車内で藍染めと書かれた中吊り広告を見て興味を持ち、徳島の藍染の現場を見に行き、植物が出す不思議な藍染の色に魅了され、「この色があったら、人と人を繋ぎ合わせることができる」と思ったそうです。それからずっと澤口さんは藍染に携わり、品質管理が難しいといわれる瓶の管理方法を学び、いまではご自身で製品創作を行い、全国の百貨店の催事に出展され、藍染めの魅力を伝える活動をされています。

一度、「化学染料を使用したものが藍染めと呼ばれることに対して、化学染料のものが偽物という認識はあるのですか?」と聞いたことがあります。澤口さんは「嘘をついていなければいいんです。藍染の中身がどうとかではなくて、この色が良いと言って喜んでくれる人がいればいいんです。」とおっしゃっていました。本物や偽物ではなくて、この藍色の美しさをただ感じて欲しい。そんな澤口さんの藍染への想いを10YCは伝えていきたい。

工場プロフィール

澤口隼人 ニワカヤマ
大学卒業後、東京・青梅にある藍染工房壺草苑にて藍染の染色方法や品質管理などを学び、その後和歌山日高川町にてニワカヤマ創業。藍染ボーダーに挑戦するなど自ら商品の創作活動にも励み、各地の百貨店などの催事に出展し、藍染の魅力を伝えている。

http://www.niwakayama.com/

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