丸井織物

石川県鹿島郡中能登町に10YC Shirtsの生地生産を行っている丸井織物はあります。丸井織物は1937年創業の宮米操業場(現宮米織物株式会社)と1956年創業の丸井織物株式会社を主体とし、ポリエステル・ナイロンの合繊素材に特化して高品質の繊維を世界のお客様に提供している会社です。またスポーツウェアやカジュアルウェアなどのファッション産業分野に留まらず、自動車のエアバックや炭素繊維などの産業資材メーカーとしての顔を持ち合わせ、多くの人々の生活を陰で支えています。2016年より「毎日の暮らしのなかで使う衣料品や身の回り品から、心地良さを感じてもらいたい。」という想いから自販ブランド・NOTO QUALITYの展開を開始。ベーシックでシンプルな素材の中に、普段生活をする上での「ちょっとした心地よさ」という価値を加えた生地生産をしています。

いままでのポリエステルを覆す生地

今回、10YC Shirtsは着心地が良くて、そして普段着る上でお手入れが簡単で、毎日着ることのできるシャツをお客様に届けたい。その思いから商品開発が始まりました。そこでポリエステルの取扱いのしやすさ(しわになりにくく、洗濯後アイロンをしなくもそのまま着られる、洗濯したあと乾きやすい)と綿の肌触りの良さを両立できないかを模索しました。そこで、約1,200台の最新鋭ジェット織機を所有し、合繊素材の織布では国内最大級の規模を持つ丸井織物さんに伺いました。そこで、見た生地はポリエステル100%にも関わらず、綿のような肌触りの生地でした。それを見た私たちはこれであれば思い描いたシャツができると思い、生地生産をお願いしました。

開発に対する熱意がファッションを面白くする

丸井織物では「素材の力で、世の中を面白く。」を合い言葉に、今までスポーツウェア用の織物生産で培ってきた撥水、透湿、吸汗、速乾といった機能性や軽量で高強度、ストレッチ性などの快適性のノウハウを活かし、カジュアルファッションに落とし込む生地開発に取り組んでいます。「ポリエステルで高級綿のような見え方を実現できないか」そういった固定観念に囚われない開発への姿勢が10YC Shirtsに使用されている生地になります。新しいファッションを創造する。その土壌が丸井織物にはあります。

カクシンセンイカンパニー-テキスタイル×ITでものづくりを変える

丸井織物は生地開発への取り組み以外にもITの活用に積極的に取り組んでいる会社です。1980年代からコンピューターネットワーク(LAN)を工場に導入し、生産効率化に活用してきました。現在では全てのマシンはインターネットで繋げられ、自動制御・遠隔操作を行えるほか、全ての生産工程から集められたデータを元に製品が仕上がるまでの履歴をトレースバックができる万全の品質/納期管理のもと、商品づくりが行われています。日本のものづくり業界が高齢化や人員不足が叫ばれる中にあっても、ITを活用して高品質な製品を効率よく生産できるIoT工場を実現しています。

高品質の生地を作る上で大切なことー5S

丸井織物の現社長は以前自動車工場に勤めていた経歴があり、その時の経験から5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)を徹底して取り組んできました。なぜ生地工場で5Sが必要なのでしょうか。生地工場では生地を生産する際に出る糸くずや生産設備の油汚れがでてしまうことがあります。しかし、糸くずなどの異物混入や油汚れの付着があると不良品となってしまい、納品先のブランドや縫製工場に、最終的には商品を着るお客様に迷惑がかかります。そのために、品質の高い製品をつくる上で、工場内を清潔にしておくことは非常に大切なことなのです。
さらに、普段から製造現場では、品質のほかにも安全を確保したり、生産性を向上させる活動を行っています。そういった活動の中で、5Sに関連する基本的なことがおろそかになっていることが多々あるそうです。だからこそ丸井織物では5Sを単なる美化活動ではなく、職場が抱える問題解決をするための改善活動と捉えています。「決められたことをきちんと守ること。」5Sはただ単に品質向上のためだけではなく、全ての物事の中心。5Sをモノづくりの基本とした日々の改善活動で品質が守られています。

丸井織物には、「本当にこれでいいのか」「もっと良くする方法はないだろうか」と考える社風があります。その結果、今までと同じような生地の作り方ではなく、自信を持って人々の暮らしをよりよくしていこうとするものづくりを実現できる。
10YCはそうやって生産者が自信を持って作ったものを着る人が思い切り楽しむ。そんな世界を丸井織物と作っていきたい。

工場プロフィール

丸井織物株式会社
1937年 鹿島町(現中能登町)徳前地区に株式会社宮米機業場設立
1956年 鹿島町(現中能登町)井田地区に丸井織物株式会社設立
1981年 商品開発室設置し、自社開発に着手
1987年 5S活動の導入
2013年 Dスタジオ(染工房)開設し、自社にて染色設備持つ
2016年 自販生地ブランド「NOTO QUALITY」を開始
国内最大級の約1,200台の最新鋭ジェット織機(ウォーター/エア、約4割がドビー)を駆使し、月間約750万メートル・約400品種に上る織物を製造。
ファッション分野だけではなく、「糸」を「織る」という技術で、様々な産業の人々と力を合わせ、これまでにない製品を創造し、繊維の力でイノベーションを生み出す。
〒929-1801 石川県鹿島郡中能登町久乃木井部 15
https://www.maruig.co.jp/

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